Stella McCartney
DATA
所在地  : 東京都港区南青山
竣工   : 2015年4月
用途   :物販店舗
敷地面積 : 88.54㎡
建築面積 : 60.35㎡
延床面積 : 176.22㎡
建蔽率  : 68.17%
容積率  : 199.03%
階数   :地上2階 地下1階
最高高さ : 9.44m
主体構造 : 鉄骨造
      一部 鉄骨鉄筋コンクリート造 



 周辺の建物のデザインは、内外の建築家がしのぎを削ってデザインを競い合っていて私は単に表面的な美しさやデザインでは太刀打ちできないなと感じました。この建物は、テナントに高級な海外ブランドの店を入れるようで、外観には絶対のコンセプトが求められました。

 私は、建物のデザインコンセプトを考えていく中で日本を意識しました。それは、周りの建物が海外の建築家のデザインが多いからです。日本を意識していくなかで発注者の会社は,服のメーカーでありますので日本の着物の伝統柄などからヒントを得られればきっと共感してくれるのではないかと考えました。いくつか、日本の伝統柄を見ていくうちに組み亀甲という柄に目を留めました。おっ、これは立体化すれば面白いんじゃないか?これを何らかの形で立体化してファサードにまとわせれば、現代的で洗練されたデザインになるなと思いました。素材は、金属のアルミダイキャストしかないなと思いました。組み亀甲を立体化したことにより、立体的な隙間ができるため、昼の光は中に、夜の光は外にきれいで柔らかい光の演出も可能だなと思いました。模型を作れば一目瞭然です。当然のことながら、私が以前設計したスピークフォービルのように建物の本体から浮かせて取り付けることは必須です。このファサードの色は白しかないと考えました。その方が光が一番きれいに見えるからです。

 ここで一番重要なのは、日本の伝統柄をデザインの源泉にしているのでどこか私たち日本人のDNAにすりこまれた日本を暗喩しているということです。一見、デザインされたものだけに見えますが、日本の伝統のエッセンスが込められているのです。海外の方にも直接的には感じなくてもどことなく日本のエッセンスを感じてもらえたらと思いました。この暗喩されたデザインということこそが、クールジャパンと呼ばれる根底なのではないかと考えました。